先輩、さよなら。

14/50
7891人が本棚に入れています
本棚に追加
/371ページ
「莉々たちも、購買?」 「は、はい、そうです……」 「今日も小倉メロンパン?」 「……はい」 恥ずかしい。完全に覚えられちゃった。 だけど、同時に、それが嬉しいあたしもいる。 「莉々ちゃーん」 直樹さんに名前を呼ばれ、ビクッと肩を震わせる。 ……きた。 「は、はい……?」 「昨日のデート、楽しかった?」 「はい……、おかげさまで」 おかげさまで、って。 自分で言ってて、言葉選びに間違ったことに気付く。 「あー、誰かに会ったっしょ?吉野ブスと、河村っていう奴なんだけど。結構邪魔されたでしょー?ごめーんねー?」 やっぱり、先輩が言った通り、直樹さんが裏にいたんだ。 先輩は、直樹さんの頭を後ろから張り飛ばす。 「いてっ」 「ごめんな、莉々。こいつ、罰として俺が朝からずっと痛め付けてやったから」 「あ、いえ……」
/371ページ

最初のコメントを投稿しよう!