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「おい、いい加減にしろ直樹。行くぞ」
直樹さんはまだ何かを言いたそうにしていたけれど、先輩に腕を強く引かれ、諦めてくれた。
「悪いな、莉々。またあとで」
「はい……」
あたしはもう少し話していたかったけど、これは仕方ない。
放課後、また会えるんだし、わがままは言えない。
先輩たちを見送って、しゅんと肩を落とす。
「なんか嫌味な人だよねぇ。本当に叶先輩の友達なの?」
「うん、あたしと先輩が付き合ってるの、ちょっとおもしろくないっていうか……」
「えー?なにそれ、子供みたい」
「そうだね……」
本当は、吉野さんのこととか、あるんだけど……。
美玖に心配をかけてしまいそうだから、ひみつにしておく。
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