7895人が本棚に入れています
本棚に追加
/371ページ
お互いに購買で買い物を済ませて、教室に戻ってきた。
「あのね、あたし、先輩に告白しようと思って……」
美玖は、パンを持ち、大きな口を開けたまま、あたしを見ている。
そして、パンを一口。
「あー、びっくりした。告白とか言うから、愛の告白とかかと思った」
「え、うん、愛の告白……。先輩に……」
「……」
美玖は、怪訝な表情で、もぐもぐと口を動かす。
「……どこの先輩?」
「叶和真先輩……」
「……」
美玖は、無言でまた一口。
変な空気になってしまった。
あたしも、パンの袋を開ける。
「え、なんで?どゆこと?」
「あ、えーとね、好きって言ったことなくて……」
「うん?」
「言ったら、「ごめん」って、返されちゃうかなって……、思ってたのね。今まで」
最初のコメントを投稿しよう!