先輩、さよなら。

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「おー、美玖ー、朝これやるの忘れてた。お前が、こないだ読みたいって言ってたやつ」 遥くんが、1冊のコミックスを持って、こちらにやってきた。 少年漫画? 「えっ、本当に持ってきてくれたの?遥ちゃんなのに」 「なんだ、俺なのに、っつー理由は」 「だって、遥ちゃんって、大体あたしとの約束守んないんだもん」 「ちょっとは守ってるだろ」 「ほーんとに、ちょーーーっとだけ、ね」 「そんなら、返せよ」 「やーだぁー」 美玖は、コミックスを抱き締めて、遥くんにべーっと舌を出した。 「ありがと、遥ちゃん」 美玖、すごく嬉しそう……。 確か、その少年漫画は、今度実写映画化が決定していたはず。 そんなに読みたかったんだろうな。
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