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「嘘だった。嘘ついて、好きだって言ってた。でも、莉々といると楽しいし、なんかいちいちすげー可愛いし、気付いたらもう……好きになってたよ」
初めて聞いた、先輩の“心”。
嘘じゃ……ないの?
片想いの終わりは、別れ以外ではありえないと思っていたのに……。
「だから、困ると思った。もし、莉々も俺を好きなら、罰ゲームだって知ったら嫌われると思ったから。それが、怖かった」
直樹さんが言った意味が、やっと分かった。
――『盗み聞きするなら、最後まで』
このことを、言っていたの?
先輩は、こちらに向けて、手を差し伸べた。
「好きだよ、莉々。……こっちおいで?」
先輩……!
あたしは、目をぎゅっと閉じる。
隙間から、涙がひとつ、こぼれ落ちた。
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