先輩、あのね。

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「あの……、なんで、あたしが先輩を好きってバレちゃったんですか?だって、1回も好きって言わないようにしてたのに……」 「……はい?」 「それに、先輩も、あたしの何がっていうか……、どこを……」 分からない。 だから、自信がもてない。 先輩は、大きなため息を、ながーく吐いた。 「せ、先輩……」 「いや、ごめん」 そのあとに、ひとりでくすくす笑う先輩に、戸惑う。 熱い顔に、当たる風が気持ちいい。 「なんでバレたっつーか、中々バレバレだったし」 「え……、えっ!?」 「なんつーか、黙ってたとしても、態度で?あんな目で見られたらさぁ。莉々、嘘つくの向いてないよ」 「…………。それは……失礼しました……」 “あんな目”って、どんな目だろう。 あたしって、いつも、どんな顔で先輩に接していたのかな。 好きを隠しきれないくらいに想っているのは……事実なのだろうから、否定しないけど。
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