第1章

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「ごめん…でも また会えて うれしいよ」 真剣な顔で言うから なんだか落ち着かない… ずるいよ! それは… 顔も言葉も反則だよ! 「リョウさん スタンバイよろしく」 「了解 舞さんこっち」 ステージ横にらせん階段があり そこに手をかけ 「暗いから気を付けて 上にベンチがあって、それに座ってステージに降りるから」 「…はい…あの すみません」 「あっ!」 「えっ!あっ違っ! 草履パタパタ音しちゃうし脱げて落ちたりしたらいけないから、ここに置いて行っていい?」 「汚れちゃうよ?」 「うん 大丈夫」 草履を脱ぎ階段の端に置くと すっと手が伸びて来て 私の手を引き上へ 赤くなる顔 ドキドキうるさい心臓 真っ暗な中スタッフの人が小さな電気で足元を照らしながら細い通路を進む 白いかわいいベンチがあり そこに座るとベルトを締めてくれ スタッフの人が 「リョウさん トーク終了後すぐです ではお願いします」 「OK」 すると軽く頭を下げスタッフの人はいなくなり2人に… ステージでは3人の楽しいトークが続いてる 「大丈夫?」 「はい…なんとか」 彼の左手が私の右手を包み ギュッ!と握って… びっくりして顔を上げると 彼の顔が目の前で 唇に…柔らかいものが… そう…私 こんなおばちゃんが な なんとアイドルのリョウに …キス… されました
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