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何が起きたのか…
でも すぐに離れた唇
「どうして?」
と言う私の言葉は、大音量で消され
そしてベンチが動く
「きゃっ!」
「大丈夫?」
「うん…」
顔が…見れない…
ギュッと力の入る彼の手
スポットライトが私達を照らす
ファンの子に悪くて手を離そうとするけど 離して…くれない…
なんで?
どうして?
これもサプライズ?
…久しぶりの…
キス…
ジンジンと火傷したように熱くなる唇を触る
もう何も考えられない
考えたくない…
心臓もおかしい位に早い
私このまま死んじゃうかも…
それでも…いいかな…
大好きな彼の歌声はまったく耳に入って来なくて
気が付くとボロボロと涙が零れて
そんな私にギュッ ギュッと手を握って 耳元で
「大丈夫? ちょっと待ってて!」
と離れる掌
そして前髪をポンポンと触る
急に冷たくなった右側
行き場のなくなった掌を眺めながらも止まらない涙…
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