第1章

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 リョウside 「新さん 明日早めに入り たいんだ 自分で行っていい?」 「どうした?」 「監督に確認したい事があって それから台本頭に入れたいんだ」 「俺行くよ! その変わり会議あるから送ったら一度事務所戻るけど」 「あぁ 大丈夫」 明日会議があるのは知っていた 現場から30分で彼女の店に着く 明日しかない 次の日現場に着くと 新さんはすぐ戻って行き オレは車が見えなくなると携帯でタクシーを呼び彼女の店へ だけど彼女の車はなく いつもの時間になっても出て来ない しばらくすると雨も降って来て… ヤバイな! 今日はムリか…また出直そう ポケットから携帯を出しタクシーを呼ぼうとしていると車が近くに止まった 顔を上げると会いたかった彼女 オレは静かに歩き出し車へ でも彼女はつれなくて… 車を降りた彼女を思わず追いかけ 抱きしめる どこかへ行っちゃいそうで… 怖かった… でもすぐにオレの腕の中からすり抜ける彼女 そしてまた怒らせてしまうかもしれないけど このまま現場に向かうことに 運転をしながら色々質問したが オレの欲しい答えは返ってこなく… 彼女は苦しそうに泣いていて やっぱりオレが… オレが…苦しめてるのか? 車を降りて 新さんがギャーギャーと怒ってるけど オレの耳には まったく入って来ない 「なあ? アイドルって何?」 「はっ? お前俺の話し聞いてたか?」 「オレは何? 彼女はダメって言ったよな? 会うな!って 何で? どーして彼女はダメ? 誰ならいいんだよ! なんなんだよ!… なんで…なんだよ… なんで泣くんだよ…」 「リョウ…スケ…お前…」 1人のスタッフが近づいて来て 顔を合わせづらいので車に乗り込む 「おはようございます。今日の衣装です よろしくお願いします。」 「ありがとうございます。よろしくお願いします」 新さんが車を開け 「リョウ 衣装だ」 着替えながら台本に目を通す 「リョウ」 「もういい! 悪いけど台本頭に入れるから1人にして」 「涼介…あのな」 「うるせー!出てけっ!」 台本を投げつけ新さんを追い出す 久しぶりに …泣いた…
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