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「お前ばかりに負担をかける。政治の腐敗を取り去る為の、粛清も。此度の襲撃も。
私はお前に、汚い仕事ばかりをさせている」
「望んでしたことです。それに、私は一度だって兄上から命じられた事はありません。全て、自分でしたことです」
「だとしても、それは私を思っての事だ。私がさせたのと、大差はないだろ」
苦笑するコンラッドに、ユーリスは申し訳なく思うばかりだった。
ユーリスにとって、コンラッドとアイリーン、そしてもう一人の弟だけが唯一の家族だ。
無条件の愛情をくれる人。
自分がいてもいい場所。
そういうものに執着してしまう。
それを護る為なら、何でもできる気がした。
「ユーリス」
手の甲に触れるコンラッドの手。
情けない子供のような目で見てしまうユーリスに、コンラッドは笑いかけた。
「お前だけが背負うものじゃないと、いうことだ。私も、背負うから」
「兄上」
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