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三人の知っている創世の物語はこうだ。
創世の王カーマインは、天使の力を借りて魔王を退け、魔界の入り口を閉じた。
この時人界は一つとなり、天使は天界の門より人々を見守る事を誓って去った。
物凄く省略すると、こういう内容になっている。
だが、アドルファスが語る物はそれとは違っていた。
「魔法において、天使や魔族に人は及ばず、純粋な力において魔物に敵わない。
武器を作り、壁を作り、集まって防衛する。
これが、人の能力と力なのだが、圧倒的に不利だった」
「だから、天使が力を貸したのではなくて?」
創世の物語では、そうなっている。
力のない人間に、天使が力を貸した。
だが、アドルファスは首を横に振る。
「それは今の教会が、そうしたいだけだな。
奴らは創世の天使を核にしている。絶対的な存在にしたいのさ。
だが、実際はそれほど単純でもない。
第一、創世の天使は私だ。それほど親切でもない」
「お前が、創世の天使!」
ユーリスが驚いたように言うのを、アドルファスが溜息で迎えた。
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