第2章

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「人界を挟むように、世界を分けた。 だが、元は同じ世界だったからな、放っておけば一つに戻ろうと動く。 そうならないよう、カーマインは人界に柱を立てた。 二つの世界を支える支柱だ」  それは、建物のようなものだった。  天界を天井、魔界を地面。その二つを分けるように、柱を八本立てたのだ。 「これが無ければ、世界が急速に接近して、衝突するかもしれない。 そうなれば、どんな災いになるかわからない。 そうならない為の柱だ。 そして、この柱を延々と支え続ける為に、奴も身を投じた」  アドルファスの声が途絶える。  感情が読めない顔だった。それが、余計に痛々しくユーリスには思えた。  大事な、友人だったのだろうと思える。  失い難い人物だったのだろう、アドルファスにとって。  今の彼の顔は、過去ユーリスにも覚えのある表情だった。 「年月が経ち、柱に何らかの不備が出てきたのかもしれない。 魔界の側の壁が薄くなっているのだろう。 だからこそ、魔物が多く人界に流れ込み始めている」 「不備、とは」 「見てみないと分からないが、考えられる事は戦での損傷だろう。 人界では度々、大規模な戦が行われている。 柱を形成する遺跡に傷があるのかもしれない」
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