第2章

24/29
前へ
/41ページ
次へ
 類まれな、光魔法の使い手。  広く聖都に赴いても、ユーリスほどの力を持つ人間は、そうはいないだろう。  その自覚と自負があった。 「私が適任です、陛下。このままでは、この国だけではなく、世界的な危機になります」 「ならば余計に、お前ばかりが負う話ではない。 この事は、聖都と魔法学院へと連絡を」 「それは辞めた方がいい」  アドルファスが、冷静にコンラッドの考えを否定した。 「今の聖都、及び教会の教義に、今の話は都合が悪い。 自分たちの考えに沿わない話をすれば、敵とされるのはこちらだ」 「彼のいう事が、正しいと思います。 もしも裏付ける物が出てきても、教会はそれを消し去り、自分たちの正しさを声高に宣言するでしょう」 「魔法学院というのも、やめた方がいい。 教会との繋がりも強いからな」 「加えて、研究者なんてものは未知の物に弱いものです。 知ればこれらの遺跡を発掘し、自分たちの研究の為に好き勝手をします」  ユーリスとアドルファスの意外なタッグに、コンラッドとアイリーンは顔を見合わせる。
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加