第2章 友愛

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ズキッ・・・ 何故か朝起き上がると頭痛がした。 こんな痛みは本来なら感じるはずが無くて、状態異常の無効化が働いていなかったのか?そんなことがあるのかとあまり気にしなかった。 「おはよう」 僕は家族に挨拶をして、電話をとる。 特にすることのなかった僕は榊原くんに電話をした。電話に出てくれた彼に遊びにいこうと誘ってみると、用事があるからと断られてしまった。 他にすることもなかったから、体を鍛えるためにランニングでもしてみようかな。 「なんか、変だな…」 今見ている風景、出勤するサラリーマンや部活動とかに行くであろう男達を見ても、なにも感じない。 「なんでこんなにランニングが捗るんだ……いつもより30分は早いぞ」 普段走り込んでいる距離をそれだけ速く終わらせてしまい、それが何なのか当てもなく調子が良いと思うことにして2週目に突入した。 それを5週繰り返した辺りで前方から歩いてきた女性がいた。 「有志…っ、渚……」 あからさまに嫌な顔をした原因は、なんとなく分かる。この前の事が原因なのだろう。 「………?あんた」 近くまで寄ると、呆気にとられたような表情に変わった。コロコロと表情が変わるなぁ。 「……ふぅん、ますます最低ね」 「え?」 「今のあんた、憑き物が取れたみたいな顔してる」 山下雫は目線でガチムチな男をおう。それを追い掛けるように僕は彼を見た。それを見ていた山下雫が、確信を得たような表情を見せた。 「アンタ、それ、最高っっっ!それが本音ってワケね」 「何なんだよっ」 「……ふぅん、分からないんだ」 「悪いな」 「まあ良いのよ。悪いことでもないし、それとあんた、僕を止めて俺って言いなさいよ。そしたら、仲良くしてあげてもよくてよ?」 「……」 無言を貫いていると、せせら笑いながら山下雫は横を通り去っていった。
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