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山下雫に言われたことは気になるが、気にすぎるとろくなことがないからな。このままランニングを続けよう。
ランニングを終えて帰宅した俺は、ん?僕は《俺は》そうだった。俺はだっけ?《おもしれーことなるわ》ん?一人言が増えたような。
俺は樫山さんを見つけて話しかけた。
「なぁ、樫山さんはもう力を解放してたよね」
「なんじゃあらたまって」
「何でもないさ。殺ろっか、組み手」
「調子が狂う」
「『イシュバルの力、すべて出しきれ。許可する。《てか命令だー》え?』」
「小僧……まあ、いい。では場所を変えるとするかの」
樫山さんは含みのある言い方をした。俺はもしかして、なにかおかしいんじゃ無いだろうか。
一人言もなんか、勝手に呟いたし。
あれ、それは普通?
え?あれ?
「余所見とは甘えてるのぅ。全力出せと言われておるからな。本気じゃよ?」
俺は懐に忍んだ樫山さんを見た。殺す気の怒気を孕んだ邪気の拳が俺を撃ち抜いた。
「グェッ、あ、っっっ!」
「空の上じゃ。あの空き地は誰もおらんのぅ。それに広そうじゃ。もう一発じゃ」
「カハッ!」
体に衝撃が走った。
どこかに飛ばされてきたらしい。
それにしても友達の反応が遠すぎる。どこまで飛ばされたんだ。
ぼーっとする俺に樫山さんは言った。
「出てってもらおうか」
「意味不明なんだけっじょおお!ぅえ!」
ズドン!!!
更なる一撃が当たった。
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