第2章 友愛

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山下雫に言われたことは気になるが、気にすぎるとろくなことがないからな。このままランニングを続けよう。 ランニングを終えて帰宅した俺は、ん?僕は《俺は》そうだった。俺はだっけ?《おもしれーことなるわ》ん?一人言が増えたような。 俺は樫山さんを見つけて話しかけた。 「なぁ、樫山さんはもう力を解放してたよね」 「なんじゃあらたまって」 「何でもないさ。殺ろっか、組み手」 「調子が狂う」 「『イシュバルの力、すべて出しきれ。許可する。《てか命令だー》え?』」 「小僧……まあ、いい。では場所を変えるとするかの」 樫山さんは含みのある言い方をした。俺はもしかして、なにかおかしいんじゃ無いだろうか。 一人言もなんか、勝手に呟いたし。 あれ、それは普通? え?あれ? 「余所見とは甘えてるのぅ。全力出せと言われておるからな。本気じゃよ?」 俺は懐に忍んだ樫山さんを見た。殺す気の怒気を孕んだ邪気の拳が俺を撃ち抜いた。 「グェッ、あ、っっっ!」 「空の上じゃ。あの空き地は誰もおらんのぅ。それに広そうじゃ。もう一発じゃ」 「カハッ!」 体に衝撃が走った。 どこかに飛ばされてきたらしい。 それにしても友達の反応が遠すぎる。どこまで飛ばされたんだ。 ぼーっとする俺に樫山さんは言った。 「出てってもらおうか」 「意味不明なんだけっじょおお!ぅえ!」 ズドン!!! 更なる一撃が当たった。
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