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ドォン!!!
ズガァァンッ!!!
地を変形させる程の力が込められた魔力が、次々に飛び交っている。
轟音と共に肉体の一部を、何人何十人という人間が失っていく。
煙が上がり、百人程の規模のグループを組んだ隊がそれに紛れて動き出す。
槍を持ち交戦している数万もの人間が、次々に致命傷を受け死んでいく。
ここは、戦場だった。
あれ以来何の問題も起きずに森を抜けた私は、音速でこの地を駆け回った。
そうして到着したのが、ここであった。
60キロ程先という近距離で、人同士による戦争がおこっていたのだ。
ルミナス「うわぁ、どんどん死んでいくねぇ・・・」
こうして離れたところから人同士の戦争を眺めるのは、初めてではない。
これまで生きてきた中では、何度もあった。
この世界は血筋では強さを得られない。
只単純に、生まれ持った才能という運要素で決まってしまう。
けれど、確かに人の世が作る貴族等といった階級の人々は幼少の頃からの英才教育によって、どんどんと力を付ける者も居る。
才能を持ち、努力をする者には勝てない。
才能は持っているけれど、驕って怠ける者には勝てるだろう。
自身より強くなろうと努力しているものには、分からない。
基礎的な、どこにでもある設定だ。
戦いの才能を持たない徴集された兵が前線に居る。
そして何百何千という命が、軽々と散っていく。
これは敵兵の魔法使いを疲労させる為に、投入されているといっても過言では無いだろう。
上が余程馬鹿だったんだろうね・・・まぁ、来世に期待して成仏しなね。
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