第16章 クリエイティブ・ワールド

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3キロ程進んだだろうか。 漸く、変化が訪れた。 「ガアアァァ!!」 早速聞こえてきたのは、4本の腕に、身体の所々に目が付いている人型の奇物。 その奇物の目は、ルミナスを捉えていた。 ルミナス「へぇ・・・」 この世界の主、この世界に住む生物の親とも言える自分を前にして、こうして立ち塞がる生物。 ルミナスの創り上げた生物ならば、本能で僅かに理解する。逆らってはいけない、と。 だが、これはどうだろう? 今、正にルミナスを殴り潰そうと、拳を振り上げているではないか。 目で見ただけでも分かる、その拳にひめられた力。 軽くクレーターをも生み出す程の、殺意の込められた一撃。 ルミナス「異物の眷属か、何処かの神が送り込んできた生物か・・・何にせよ。」 ドォォンッ・・・!! その一撃はルミナスに直撃し、衝動が走る。 足元の地面は軽く割れ、小さな石ころ等は、数メートルと飛んでいく。 今まで幾匹と、その一撃で魔物を沈めてきたのだろう。 確かに、その力は強大だった。その自信に満ちているような表情も、納得できる程度の力はある。 しかし。 ルミナス「その程度で私を傷つけようだなんて・・・舐めてるの?」 ルミナスが冷たく、嘲笑すると同時に。 ぐちゃり。そんな、肉の潰れる音がした。 「ガアアアァッッ!!?」 ミンチとなり、血を撒き散らしているそれは、腕。 ルミナスを相手に、振り上げた腕だった。 驚異的な力に圧縮されたかのような、酷い有り様。 そんな腕を抱え込み、蹲るその奇物は涙も流さない。 ルミナス「こんなのを世界に放り出して、何がしたいんだか・・・」 まだ、痛みで涙を流すオークの方が可愛げがある。 ボソッとそう呟いた時には、既にその奇物の頭は宙に舞っていた。 ルミナス「只生物を殺戮して、世界を破壊し続ける魔物なんてのは要らないよ」 その言葉と共に、奇物の大きな身体は地面に倒れた。 ほら、新しいものを買って、自分以外の誰かに穢されたら・・・ちょっと、イラッとくるでしょ?
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