第1章

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冷たい風が私の長い髪を揺らす 空を見上げたら大きくて綺麗な満月、その周りにはたくさんの星々が輝いている そして、私の周りにはたくさんの…………竹。 おかしなくらいにどこもかしこも竹、竹、竹! さっきいた場所とは確実に違うし! 私は方向音痴だけど気づいたら見覚えの無い竹林に迷い込むなんてほどヤバくはないはず!……たぶん…… 「はぁ…いったい此処は何処なの?」 深いため息をついて、疑問を口に出してみる。 「此処は江戸時代の京都にある竹林だ」 「へぇ~、江戸時代の京都か。初めて来るなぁ………」 …あれっ?なんか変じゃね?江戸時代って何だ?今は平成の世だったはずだし、さっきまで京都なんていなかったし…… そもそも私は今、たった一人でいて周りを見ても誰もいない……私の記憶が正しければ会話というものを成り立たせるにはもう一人必要なはずで………………… 「ぎゃああぁぁぁぁぁぁぁぁ!! ものほんのお化けがでたあぁぁー!! ……………って、なんでやねーん」 おぉい!ついノリツッコミをしてしまったじゃんか!! ま、まあ、きっとさっきのは空耳だったんだろう。…うん、きっとそうに違いない。 「おい、そこの騒がしい女」 あっれ?また空耳が聞こえてくるなぁ そろそろ耳鼻科いったほうがいいのかなー
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