希望の星

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 ナナオはキースに指示をだし、船内の灯りを消す。すると映像はよりくっきりとナナオの眼に映る。  桜、向日葵、朝顔、紫陽花、ヒヤシンス、百合にチューリップ……KB27惑星に咲く花たちをいくつもいくつもミハルに見せる。  ナナオとミハルの故郷にはない花はミハルのお気に入り。KB27惑星に行きたいとミハルが言い出したのも、この花があるからだ。  他にもっと栄え、二人が求めている惑星があるというのに。けれどこれほど美しい花が多く根付いているのは他にない。 「どう? 毎日見てても飽きないなんてミハルらしいね」  クスクス笑っていたナナオだったが、息苦しさを覚えて咳き込む。最初は軽く咳き込む程度だったものが、肺に空気を送り込めないほど辛そうに咳をする。  咳が治まるとナナオは汚れた口許と掌を清潔な布で拭った。 「大丈夫。心配ないから。うん、でもなんとか間に合ってよかった」  ナナオはミハルに笑ってみせる。  そして漸くKB27惑星の大気圏にナナオたちの宇宙船は突入した。 .
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