4人が本棚に入れています
本棚に追加
「キース、船体を光学加工して。あと外の音声を聴こえるように。画像もね」
大気圏突入前にキースは操縦席へと戻り、安定してきたら自動操縦に切り替える。
KB27惑星は事前調査によると随分と科学が遅れ、宇宙船は珍しいらしい。飛び回っていたら大騒ぎになる懸念から背景に溶け込む加工をし、悠々と空を飛ぶ。
画面にパッと映った映像にナナオは眼を見張る。
「え? なんか違う……」
茶色の似通った低い建物と、碁盤目に整列された道。
ナナオが見ていた映像ではそうだったのに、高低差のある鈍色に光る建物、鮮やかな乗り物、もちろんサムライはいない。
「ミハルゥ。ちょっと違うね。ねえ、キース、本当に間違いない?」
「マチガイアリマセン。KB27デス」
「チョンマゲ見たかったね? あ、ごめん。ミハルは花だっけ?」
ナナオは肩を竦め、再び画面に眼を凝らし花を探した。
.
最初のコメントを投稿しよう!