【1】佐倉 和樹1

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毎日同じ、平凡でつまらない生活を送っていた。 佐倉和樹は、地元を出て都内の大学に通っている。 地元の進学校である公立高校は男子校であったため、 大学に入学したら、サークルに入ったり、合コンをし 女の子と関わりたいと希望を抱いていたのだが、 現実は「めんどくさい」という感情のひとつで潰された。 入学早々、勧誘を受けたテニスサークルに入ってみたが Fランク大学のテニスサークルなんて 遊び好きのチャラチャラした奴らの集まりでしかなかった。 当然加入前に薄々気が付いてはいたが、 元々人と付き合う事が苦手な和樹にとって その現状は、とても馴染めるものではなかったのだ。 ほんのわずかだが、 大学デビューを考えてしまったことを深く後悔した。 毎週のように開催される飲み会では 冗談か本気か判断し難しい無茶振りをされ、 同じサークルだからという理由で、授業の代返を頼まれたり、 他大学との交流会では会場の確保を任されたりと 思えば『いじられキャラ』という名の『パシリ』といった立場になってしまった。 和樹はこの状況に対して 日に日に嫌気がさし、 心の底から「めんどくさい」と思うようになったのだ。
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