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毎日同じ、平凡でつまらない生活を送っていた。
佐倉和樹は、地元を出て都内の大学に通っている。
地元の進学校である公立高校は男子校であったため、
大学に入学したら、サークルに入ったり、合コンをし
女の子と関わりたいと希望を抱いていたのだが、
現実は「めんどくさい」という感情のひとつで潰された。
入学早々、勧誘を受けたテニスサークルに入ってみたが
Fランク大学のテニスサークルなんて
遊び好きのチャラチャラした奴らの集まりでしかなかった。
当然加入前に薄々気が付いてはいたが、
元々人と付き合う事が苦手な和樹にとって
その現状は、とても馴染めるものではなかったのだ。
ほんのわずかだが、
大学デビューを考えてしまったことを深く後悔した。
毎週のように開催される飲み会では
冗談か本気か判断し難しい無茶振りをされ、
同じサークルだからという理由で、授業の代返を頼まれたり、
他大学との交流会では会場の確保を任されたりと
思えば『いじられキャラ』という名の『パシリ』といった立場になってしまった。
和樹はこの状況に対して
日に日に嫌気がさし、
心の底から「めんどくさい」と思うようになったのだ。
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