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最近は夜更かしにもすっかり馴れてしまい、
翌日の授業が早くても
2時間ほどの睡眠が取れれば十分だ。
遅刻ギリギリの時間で駆け込む事にも馴れた。
夜更かしやゲーム等に対する文句を言われないことが
一人暮らしの最大の利点だと思った。
和樹の実家は、市営団地であった。
幼い頃、両親は離婚し、
母と兄、和樹の3人で暮らしていたが、
和樹の部屋は兄と同室だ。
パソコンもゲーム機も
兄とお金を出しあって購入したもので、
特にパソコンにおいては
高校に入りバイトを始めた兄の給料が7割り、
和樹が地道に貯めていた小遣いが3割りで購入したせいか、
いつも兄が使っていた。
中学生だった和樹は、
授業が終わり、一目散に帰宅し
兄が高校から帰ってくるまでの数時間だけしか使わせてもらえなかった。
ふと、ベッドの上に放置してある充電中の携帯電話に目を向けると
不在着信を知らせるランプがチカチカと点滅していた。
携帯を手に取り、確認すると
知らない携帯番号から2時間前に1回と
つい数分前に2回、
不在着信として表示されていた。
誰だろう?
普段なら知らない番号からの不在着信には折り返さないのだが、
3回も連絡をしてくるってことは
知り合いからの連絡だろう。
和樹は発信ボタンを押した。
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