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「オッサン、来たぞ」
2人はギルドのカウンターに来ていた。早朝という事もあり、誰も組合員は居なかった
「極秘事項らしくてな、奥の部屋のマスターの所に行ってくれ」
そういうと、仁は電話をかけた
「あ、マスター?2人来たんで案内します」
仁に案内されてギルドの中を歩く
「なぁ、疑問に思ってたんだが、なんでこんなにここはデカイんだ?」
「1Fは受付と酒場になってるが、2Fから上は、宿舎になっててな。身寄りの無い奴らとかが寝泊りしてんだよ」
「住み込みって事ですわね」
2人はマスターの部屋に着いた。
仁がコンコンっとノックをして、マスターの部屋に入るよう促した。
「やぁ、雷神、風神。良く来てくれた。早朝に悪いな」
「全くだ」
「マスターの烈(アキラ)だ。よろしく」
身体は細く、しわしわの顔に白い眉毛と髭が特徴的な老人がそこにいた
「よろしく。俺が雷神で彼女が風神だ。で?用件は?」
祐樹の所に帰りたくて仕方の無い瑠鹿はイライラしていた。
「国王から護衛の依頼が来てね。一番、強いやつを送って来いと。そうすると、XXランクはお前達だけでな。国王の護衛を願いたい。JAL、ANA、両国だ。どっちがどっちに行く?」
「申し訳ありませんが、戦争を起こしている張本人達の護衛はお断り申し上げます」
文江が批判するように言い放った。
「気持ちは分かるが、こちらも商売だ。国王にはケンカを売りたくないんだ。わかってくれ。お前達だけの問題ではないんだよ」
(『身寄りの無いやつらはギルドで寝泊りしてるんだ』)
さきほどの仁の言葉が頭をよぎる。
「いつから、いつまでですか?」
溜息をつきながら文江は尋ねた
「おい、風神!?」
瑠鹿は面食らった。
「他の組合員が仕事を失くしたら、どうしようもないでしょう。仁さんが言ってたじゃない」
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