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夜の街路地
「いてててて」
「あと、ちょっとなんだから、我慢しなさい」
街外れまで移動し、仮面を外した瑠鹿と文江は鎮守の森を目指していた。
「ふーはいいよな。弾に当たってねーんだから」
「過激にやりすぎた、貴方が悪いのよ?」
「ふんっ。」
街を歩くと出歩くものはおらず、家々は黒いカーテンをして、光が漏れるのを警戒しているようだった。
「昼間は活気づいているのに、夜はこうなのね」
「光が漏れていれば的になる。そういうものだろ」
街はまるで人が居ないかの様に静かで異様だった。
月明かりが2人を照らすだけだった。
「やっと着いたわ!がんばって!」
怪我をしている事もあって、瑠鹿は今にも倒れそうだった。
結界を通ると銀色の狼と赤毛の狼の2匹が待ち構えていた。
心配そうにこちらを見ている。
文江は2匹を招き、口づけする
文江が契約した人狼だ。
「貴女、大丈夫!?怪我してない!?」
赤毛をポニーテールにして、赤い皮ジャンに皮の赤いパンツ。いわゆるライダースーツを着た女が心配そうに聞く
「茜ちゃん、私は大丈夫よ」
「本当に心配したんだから!」
茜は文江に厚い抱擁をした。
「こっちはやばそうだな」
銀髪のセミロングに黒の皮ジャン、パンツのライダースーツの男が言う
「喰っていいか?」
瑠鹿の顎をクイッと持ち上げ、ニヤニヤしながら瑠鹿に聞く。
「冗談よせよ、ナユタ。肩、貸してくれ」
瑠鹿は那由多の肩に軽くパンチをしてみせた。
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