第1章 ~初仕事~

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あと、もう少しで境内だという所で文江が 「電気、煌々とついてるわね。ここ」 「俺の結界舐めんな。それにユキどっか抜けてるし。黒い布で窓を覆って光が漏れないように言わないとな。ま、結界張ってるから何の問題もないが」 そんな会話をしながら参道を歩く。 「なぁ、ちょっと休憩していいか?半端ねぇ・・・この階段、何段あるんだ?超、やる気なくすんですけど」 「後、ちょっとよ?」 「もう、動けねぇ。休ませろ」 那由多からずり落ちて地面に転がった 「はぁ、全く、困ったものだ」 「は?」 ナユタがおんぶの姿勢をとった。 「乗れ」 「ありが・・・とな?」 瑠鹿は少し恥ずかしい気持ちになりながらも、素直におんぶされた。 「一つ、貸しな?」 「抜け目ねぇな、おい」 笑いながら、ナユタにおぶってもらった瑠鹿だった。 やはり、大人の男の背中は子どもにとって必要だった。 境内の戸を開けると、祐樹が飛んできた 「凄かったみたいだけど、2人とも大丈夫?ってルカ!」 瑠鹿は那由多から降りた 「やばいけど、大丈夫だ。フミエがカッコ良かったぜ?肝に銘じよ!とか言って突風かましたんだ。ちょーかっけー」 「う、うるさいですよ!」 文江は顔を赤くした 瑠鹿は弾をくらった右腕が、肩から袖までどす黒い血液の後を残していた。 「救急箱、持ってきます!」 祐樹は奥に消えていった。 「ちょっと脱いで、見せてごらんなさい?」 茜が脱ぐように促した。 「酷い怪我ね。でも、弾は貫通してるから、ある意味、良かったわ。あら、見事な腹筋!舐めていい?」 「旦那の腹筋、舐めてろ変態!」 「ねだっても、最近してくれないのよ、ナユタ」 「ちょ、ちょっと何の会話してんのよ!」 文江は赤くなって怒った。 すると那由多が 「大人の事情だ、気にするな」 と返した 茜と那由多は夫婦なのだ。
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