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あと、もう少しで境内だという所で文江が
「電気、煌々とついてるわね。ここ」
「俺の結界舐めんな。それにユキどっか抜けてるし。黒い布で窓を覆って光が漏れないように言わないとな。ま、結界張ってるから何の問題もないが」
そんな会話をしながら参道を歩く。
「なぁ、ちょっと休憩していいか?半端ねぇ・・・この階段、何段あるんだ?超、やる気なくすんですけど」
「後、ちょっとよ?」
「もう、動けねぇ。休ませろ」
那由多からずり落ちて地面に転がった
「はぁ、全く、困ったものだ」
「は?」
ナユタがおんぶの姿勢をとった。
「乗れ」
「ありが・・・とな?」
瑠鹿は少し恥ずかしい気持ちになりながらも、素直におんぶされた。
「一つ、貸しな?」
「抜け目ねぇな、おい」
笑いながら、ナユタにおぶってもらった瑠鹿だった。
やはり、大人の男の背中は子どもにとって必要だった。
境内の戸を開けると、祐樹が飛んできた
「凄かったみたいだけど、2人とも大丈夫?ってルカ!」
瑠鹿は那由多から降りた
「やばいけど、大丈夫だ。フミエがカッコ良かったぜ?肝に銘じよ!とか言って突風かましたんだ。ちょーかっけー」
「う、うるさいですよ!」
文江は顔を赤くした
瑠鹿は弾をくらった右腕が、肩から袖までどす黒い血液の後を残していた。
「救急箱、持ってきます!」
祐樹は奥に消えていった。
「ちょっと脱いで、見せてごらんなさい?」
茜が脱ぐように促した。
「酷い怪我ね。でも、弾は貫通してるから、ある意味、良かったわ。あら、見事な腹筋!舐めていい?」
「旦那の腹筋、舐めてろ変態!」
「ねだっても、最近してくれないのよ、ナユタ」
「ちょ、ちょっと何の会話してんのよ!」
文江は赤くなって怒った。
すると那由多が
「大人の事情だ、気にするな」
と返した
茜と那由多は夫婦なのだ。
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