第1章 ~初仕事~

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「救急箱、持って来ました。うわぁ・・・痛そう」 「痛そうじゃなくて、痛いんだよ!!」 「消毒するわよ?」 文江が救急箱から消毒液と包帯を出した。 「ぐぁっ。ちったー優しくできねーの?うぐっ」 「銃痕だから仕方ないわよね。我慢よ。男でしょ!」 失神しそうな痛みに意識が朦朧とする中、茜の言葉でやっと意識をつないでる状態だった。 「なんか、、、噛む布か、、なんかくれ」 瑠鹿は思いっきり布を噛んで、息を荒げ、時折、唸った。 「(僕が変わってあげれたら・・・)」 祐樹は思った。 『お前の神の光は全てを癒す。だが、それはお前に全部還ってくる』 祐樹は神の言葉を思い出した。 「ルカ?」 「ちょ、ちょっと後にしてくれ。今は、、余裕ねぇ・・・」 祐樹は瑠鹿に抱きついた 『(お願い!神の光!ルカを助けて・・・)』 祐樹と瑠鹿は緑の光に包まれた。 「え?傷が・・・」 文江は傷が塞がっていく腕を見て驚いた。 「これで、もう、大丈夫ですね。良かったぁ~」 祐樹は安堵し、笑顔を見せた。 右腕に走る激痛を我慢しながら。悟られないように。 だが、急に脂汗を流し、声がぎこちない祐樹に瑠鹿は思った。 俺の傷は何処に消えたのか? なぜ、祐樹が笑顔で脂汗をかいているのか。 「ユキ、腕、見せてみろ」 瑠鹿は怒ったように、乱暴に祐樹を肌蹴させた。 「傷は・・・無いな」 舐めるように腕を見る瑠鹿 「大丈夫ですよ?」 祐樹は笑顔をこぼした 瑠鹿は軽く、祐樹の腕を握った。 「ひっ!」 祐樹は悲鳴を挙げた。 「やっぱり!ユキ、今すぐ、俺に戻せ!戻すんだ!」 「だ、ダメです!出来ません!離して!」 「どういう事?」 文江は頭をかしげた。 「神が言ってただろ。神の光は全てを癒すがユキに返ってくるって!俺の腕の痛みがユキにいってんだよ!戻せ!ユキ!」 荒々しく、瑠鹿が祐樹に凄んだ。 「僕に出来ることはこれだけだから。絶対に嫌です!」 「馬鹿やろう!返せ!」 「絶対に駄目です。僕にしかできない、僕の能力です。使わせてください。傷つかれるのは大嫌いなんです!」 祐樹は瑠鹿の腕を振りほどいて、うずくまった。
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