第1章 ~初仕事~

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その夜 「んっ。はぁ、はぁ、んっ。痛い・・・。」 祐樹は右腕を掴みながら唸っていた。 痛みを受け入れ、その影響で高熱が出ていたのだ。 瑠鹿は祐樹の悶える声で起きた。 「ユキ?」 「あ、起こしちゃいました?」 笑顔で答えるものの、その額には汗がびっしりとかいていた。 「お前・・・。すげー熱じゃないか。あんな事するからだ」 瑠鹿はかまどに行き、水瓶から水を汲んでタオルを用意し、祐樹の看病にあたった。 「ぜってぇ、二度と、すんなよ?」 「はぁ、はぁ、そんな事、、約束できません」 「馬鹿が」 祐樹の身体を拭き、額にタオルを乗せた。 その後、部屋を後にした。 「ふー子、起きろ!」 瑠鹿が向かった部屋は文江の部屋だった。 「なぁ~にぃ?」 文江は寝ぼけていた。 「俺の傷を受けて、ユキが高熱出してる。人狼に頼んで、薬草がないか聞いてくれないか?」 「oh my god!?(何ですって)」 文江は飛び起きた。 数時間後、茜と那由多が解熱の薬草を摘んで来てくれた。 「私達ならそのまま食べるけど。かなり苦いわよ?」 「わたし、薬丸作れる。作るわ!ちょっと、ルカ、手伝って!」 「どうすれば良い?」 「私が、今、イメージするから、私の頭の右側に道具が浮かび上がるの。神子の力を持つ者にしか掴めないんだけど、具現化できるの。取って!」 深呼吸した後、文江は瞑想に入った。 少しずつ、文江の右側の空間が歪んで来たかと思うと、すり鉢のようなものと棒、陶器のような棒と皿の4つが浮き出だ。 「今よ!取って!!」 瑠鹿はその空間に手を突っ込んだ。 「掴める!?貰ったぁぁぁ!!」 それから文江は薬丸を作る作業に入った。 「ユキちゃん、頑張って・・・」 文江は寝ずに薬丸を作り、瑠鹿は看病を続けた。
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