長州の景

10/16
前へ
/188ページ
次へ
そして、主人が、 「下に、桂様の使いの者が来ておりますがどうしましょう。」 「あの、桂小五郎かね。ここへお通ししてくれ、」 桂小五郎の言い付けで、使用人源助が嘉納小十郎に手紙を渡す。 その手紙には、伊藤俊輔を助けてくれたお礼の言葉と、会いたいというものであった。 小十郎は葵にも、その手紙を見せた。 「小十郎様。御会いになるとよろしゅうございます。」 「そうか、では、会うとしよう。」 葵は、長州藩を代表する、桂小五郎という人物を見たかったのである。 小十郎と葵は、会って話しを聞いて、桂小五郎と長州藩のことを知ろうとした。 このとき、まだ、嘉納小十郎の人生が大きく変わろうとしていることを、葵は気づいていなかった。 **
/188ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加