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そして、主人が、
「下に、桂様の使いの者が来ておりますがどうしましょう。」
「あの、桂小五郎かね。ここへお通ししてくれ、」
桂小五郎の言い付けで、使用人源助が嘉納小十郎に手紙を渡す。
その手紙には、伊藤俊輔を助けてくれたお礼の言葉と、会いたいというものであった。
小十郎は葵にも、その手紙を見せた。
「小十郎様。御会いになるとよろしゅうございます。」
「そうか、では、会うとしよう。」
葵は、長州藩を代表する、桂小五郎という人物を見たかったのである。
小十郎と葵は、会って話しを聞いて、桂小五郎と長州藩のことを知ろうとした。
このとき、まだ、嘉納小十郎の人生が大きく変わろうとしていることを、葵は気づいていなかった。
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