11人が本棚に入れています
本棚に追加
「とおし?」
小十郎には意味が解らない。当然、今の日本には、株式会社なるものがない。
唯一、坂本龍馬が長崎で、『亀山社中』を創設しているぐらいである。
桂小五郎は、長崎で坂本龍馬にも会っている。
「私は、人材に投資するのが好きなんですよ。」
「しかし、返せる技量は、私にはござりません。」
「いいんですよ、それと、蘭方医学の他に、英国式外科を学ぶといい。」
「英国式外科!」
「当方の村田勇吉も、長崎で、英国式外科を学んでいる。一緒に学ぶとよろしかろう。」
桂小五郎がいう。村田勇吉は、緒方瑞庵塾の門下生、村田蔵六の養子であった。
その英国人のイースキーへの紹介状を小十郎に渡した。
「どうかね。嘉納どの。」
「願ったり叶ったりで、なんとお礼を申したらいいのか…」
小十郎は、葵の方を見て、微笑んでいた、葵も終始にこやかである。
**
最初のコメントを投稿しよう!