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マリオネはその呟きを無視して、最初の質問に答える。
「ええ、ですから21人はゲーム参加が免除されます」
「……免……除……?」
「免除って、ゲームをしなくていいってこと?」
村崎の声は少しだけ上ずっていた。嬉しそうだった。
「ええ。ですが、ひとつ条件がございます」
マリオネが仮面下でにやりと笑ったような気がした。
「免除されたチームは一人につき1点、ポイントを失います」
「それって……」
そう言われて今度は落胆する。村崎はこんなにも感情の起伏が激しいやつだっただろうか。
それとも無理に――まるでお笑い芸人がオーバーなリアクションで周囲を盛り上げるように、大げさにしているんだろうか。
「ポイントが持ってないチームには無関係じゃない……」
まさにその通りだった。オレたちのチームのポイントは0だ。けれどマリオネは「いいえ」と否定する。
「ポイントは0が最下限ではないですから大丈夫です。0ポイントのチームは-1ポイントになれば、ひとりは救えます」
「ポイントはマイナスにもなるのか……」
想像できたはずなのに、どこかでポイントはゲームに勝利して加算され、加算されたぶんだけ何か特典でもあるのかと思っていた。
「じゃあ、ぼくは……」
誰かが免除してもらおうと声をあげる。
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