萩尾 万世 その1

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 マリオネはその呟きを無視して、最初の質問に答える。 「ええ、ですから21人はゲーム参加が免除されます」 「……免……除……?」 「免除って、ゲームをしなくていいってこと?」  村崎の声は少しだけ上ずっていた。嬉しそうだった。 「ええ。ですが、ひとつ条件がございます」  マリオネが仮面下でにやりと笑ったような気がした。 「免除されたチームは一人につき1点、ポイントを失います」 「それって……」  そう言われて今度は落胆する。村崎はこんなにも感情の起伏が激しいやつだっただろうか。  それとも無理に――まるでお笑い芸人がオーバーなリアクションで周囲を盛り上げるように、大げさにしているんだろうか。 「ポイントが持ってないチームには無関係じゃない……」  まさにその通りだった。オレたちのチームのポイントは0だ。けれどマリオネは「いいえ」と否定する。 「ポイントは0が最下限ではないですから大丈夫です。0ポイントのチームは-1ポイントになれば、ひとりは救えます」 「ポイントはマイナスにもなるのか……」  想像できたはずなのに、どこかでポイントはゲームに勝利して加算され、加算されたぶんだけ何か特典でもあるのかと思っていた。 「じゃあ、ぼくは……」  誰かが免除してもらおうと声をあげる。
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