萩尾 万世 その1

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 けれどそれを遮ってマリオネが言う。 「もちろん、ポイントがマイナスだと、のちのち、デメリットがあることをお忘れなく」  それだけで声をあげようとしていたやつらが押し黙った。  様子見のオレですら、声をあげれなかった。 「なあ、もし免除してほしい人が21人もいなかったら……」 「それはこちらで人数合わせするしかありませんねぇ」  それだけで身の毛がよだった。それはおそらく殺すということだろう。容易に想像できた。 「ポイントを持ってる奴らが免除されろよ……」  と誰かがボソリとつぶやいた。そうすれば確かにマイナスになることは防げるかもしれない。 「それ無理かも。私、他のチームのポイント計算してるんだけど、合計しても20ポイントしかないの」 「じゃあ、どっかのチームがマイナスになるってことか」 「まだ、プラスのチームが使うと決まったわけじゃない」  この声は峰岸だったか。挑発的にそんなことを言い出したが正論ではあった。 「この期に及んで使わない気かよ。使わなきゃ、あの仮面野郎が勝手に殺すんだぞ、チームの誰かを」 「大いに結構だけど」
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