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「丸加高原なんて中学生の時以来だよ。」 “丸加高原”と呼ばれる小さな山。 その頂上には宿泊も可能な研修施設がある。 他には牛や馬のいる放牧地、それから市内郊外の景色を見渡せる展望所等もあった。 笑美はここの宿泊施設に泊まった事があるらしい。 そして俺も、同じような記憶が自分の中に薄っすらと残っている事を思い出す。 「そういや、俺もあそこに泊まった事あるわ!」 高校時代、サッカー部の合宿で訪れたこの“丸加高原”。 頂上から少し下った場所には小さなサッカーグラウンドがあり、俺たちは夏休みの数日間をここで過ごし、仲間たちと共に練習に勤しんでいた。 そんな記憶も、何かきっかけがなければ思い出せない。 悲しい記憶はいつまでも残るのに、どうして楽しい記憶は少しずつ薄れていってしまうのか・・・。
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