第六話

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「オオカミさん」 「うん?」 「――わたしのどこが好きですか?」 少し間を空けて、ちょっと自信のなさそうな声で訊く、赤ずきん。 この質問に答えなんてないと思ってる。 顔といえば、顔も好きだ。 すぐ赤くなるところ。 表情がコロコロ変わるし、――妙な色気があるし。 身体と答えても顏と答えても間違いはない。 性格もそう。 これから知れば知るほど好きになるとしか思えない。 ――ふぅ、言いだしたらキリはない。 だから、ひとつしか浮かばない答え。 「全部」
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