第六話

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そう言って抱きしめる。 そう、全部。 嫉妬心を真っ直ぐ言葉にして、オレを惹きつけることができる。 そんなこと赤ずきん以外にできないと思う。 ――昨日のことを思い出して、愛しさが込み上げてきて思わず抱きしめた。 すっぽりと包みこむことができる身体。 でも、まだ心は包みきれてないからこんな顔をさせるんだろうな。 お互いをまだ何も知らない。 何も知らないからこそ、これから知ることも全部受け入れていくつもりだ。 その気持ちを込めてもう一度、力を込めて抱きしめる。 「――全部だよ」
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