第六話

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わたしは車が去る音を聞いてから、オオカミさんの電話番号を聞いていないことに気がついた。 「元気ない時は、これなんでしょ?」 少し時間がたってからテーブルの上に並んだのは、ナポリタンスパゲッティ。 チーズが上に乗っている、ここの食堂特製のもの。 添えられた小さなサラダには胡麻ドレッシング。 「うわあ、ありがと! そう、これなの!」 「おう、奢りだ。食いなさい。祝いだよ、祝い」 知らない男の人が、南ちゃんの分を運んで置いて行く。 ――今日は塩ラーメンとショウガ焼き定食だった……。
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