第六話

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*――赤ずきん――* 「おはよう」 耳に響いた声に、ばっと目を開ける。 「え?」 唇が触れそうな距離に、オオカミさんの顔――! 光を背に、微笑んでるその顔に、一瞬息が止まるかと思った。 ――……っ! 息は飲んだけど。 だって、あまりにも絵になっていて、ドキッとしたから。 「ひゃあ!」 でもすぐに悲鳴になって飲んだ息は出て行った。 目覚めから、こっちの方が夢っぽいのに、現実感が――半端ない! 混乱もしなくていいくらい、はっきりと今見てたのは夢だって思えた。
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