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*――赤ずきん――*
「おはよう」
耳に響いた声に、ばっと目を開ける。
「え?」
唇が触れそうな距離に、オオカミさんの顔――!
光を背に、微笑んでるその顔に、一瞬息が止まるかと思った。
――……っ!
息は飲んだけど。
だって、あまりにも絵になっていて、ドキッとしたから。
「ひゃあ!」
でもすぐに悲鳴になって飲んだ息は出て行った。
目覚めから、こっちの方が夢っぽいのに、現実感が――半端ない!
混乱もしなくていいくらい、はっきりと今見てたのは夢だって思えた。
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