第六話

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夢での寂しさは消えてくれない……。 一人取り残された、夢のラストを……。 遠くに行ってしまうオオカミさんの姿を――思い出してしまう。 夢だってわかったのに――。 それでも哀しい……。 「今日、仕事でしょ?」 バサッと布団がめくられて、少し微笑みを浮かべているオオカミさんがわたしを見てる。 往生際が悪いわたしは布団の端をつかんで俯く。 「――はい……」 首の後ろに回っていたオオカミさんの腕に力が入った。 わたしを身体に引き寄せるようにギュッと抱きしめてくれる。
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