第六話

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「どんな夢?」 訊かれてボワッと顔が熱くなる。 昨日はクラブに行ってそのままギュってしてもらって眠ったから……。 重なり合ってない……ので、欲求不満だったとか……。 ――うわ、なに考えてるんだろ! 隣にいて、温もりをもらってもまだ足りないなんて……。 貪欲だと思われそうで言えません……。 「えっと……。幸せだけど、切ない夢です……」 結局言えるのはそれだけ。 バーテンダーとしてもDJとしても人気があるオオカミさん。 独り占めなんて……できるわけないのに……。 少し哀しく思いながら、もう一度ギュッと抱きつく。 ドクン――ドクン――。 力強い心音に、目を閉じた。
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