第1章 夏休みだぜ

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あっという間に二日がたった。沙耶、達也、哲也の三人は空港にいた。 しかし、なんだか達也は落ち着かない様子だった。 (哲也)おい、達也     少しは落ち着いて待ったらどうだ。 (沙耶)そうよ。 (達也)でももう三十分も予定より遅いぞ。 達也は、文恵に早く会いたいというのは自分でも分かっている。だからこそ落ち着かないのだ。その時…… (文恵)達也君? 達也は、ふと後ろを向いた。そこには文恵の姿があった。 (沙耶)文恵ー 沙耶は一目散に走り出し文恵に抱き付いた。 (沙耶)おかえりー文恵 (文恵)ただいま沙耶、迎えに来てくれたんだ。 (哲也)当たり前だろ。 (達也)つか、おせーんだよ。 四人の顔には、笑顔が浮かんでいた。四人で一緒にいるのはファミレスに行ったとき以来だ。 (達也)よし、じゃあ行くか。 (文恵)ちょっと待って、まだ来てない。 達也は疑問に思ったような顔をした。 (哲也)例の友達か? (文恵)さっきまで一緒だったんだけど。 (客)キャー いきなり空港内に悲鳴が響いた。 (達也)なんだ? (男)騒ぐんじゃねー、動くとこいつ殺すぞ。 なんと、刃物を持った男が女性を人質にしていた。 (達也)あのヤロー、なんてヤローだよ。 達也は一目散に駆け出した。 (哲也)達也? (文恵)達也君? 達也は人質犯に向かって背後から思いっきり跳び蹴りをくらわせた。 人質は、前の目に倒れた。 (達也)この、しょうもねえヤローが。 人質の女性は無事に逃げた。しかし男は刃物を再び握り走り出した。 (達也)なに? そして、その目線の先には文恵たちがいた。 危ない? (達也)文恵、逃げろ。 (男)どけー (哲也)まずい? 哲也はすかさず文恵の前に立ち彼女を庇おうとした時…… ガシ 彼の前に一人の男が立ちはだかっていた。 (男S)こんなあぶねーもん振り回してんじゃねえよ。 男は、そういうと犯人をアッパーで吹っ飛ばし犯人の手の刃物を蹴り飛ばし取り押さえた。 (男S)ったく、警備員はやく。 (警備員)はい。 彼の元に達也が走って近付いた。 (達也)あの、サンキューな助かったよ。
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