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第8話
真っ直ぐな目に、言いたいことが何も言えなくなる。
真剣で、切なそうで……。
重なる……。
自分の今の想いと、なぜかリンクしてしまう。
何か言わなくちゃ。
そう思ったとき、越中先輩の後ろに人影が見えた。
睨むようにわたしのほうを見ている京子さんの顔。
「っ――! 仕事中なので」
仮に越中先輩のなかで片付いていても、京子さんは違う。
――今の目。
睨んでた。
越中先輩の顏を見上げることなく横を通り抜ける。
京子さんはカウンターに戻っていた。
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