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奥山蒼麒
坂入紅音
松代紫峰
彼らは、この学園でも有名な3人組だ。
蒼麒は、『オクヤマ』という有名な大企業の御曹司。
紅音は、父親の会社が『新進気鋭のIT企業』として名を馳せていて、彼も幼いながら頭脳明晰である。
紫峰は、この地域で一番大きい『松代総合病院』の三男坊。
紫峰だけは2人より年下であるが、大体このメンツでつるんでることが多い。
この学園は幼稚舎と小学校は共学で、その後は男子校と女子校に別れるシステムだ。
もともとセレブと呼ばれる方たちが多く通う学校ではあるのだけれど…。それの中でも彼らは群を抜いている。
だがしかし。
それ故に……悪く言えば『厄介者』扱いをされることも多く…現に、俺が担任になってるって辺りが、すでにそれを物語っていること間違いないし。
『問題を起こせば、すぐに辞めさせられる先生』
簡単な紙っぺら一枚で、もれなく路頭に迷えますーって感じ。
そんな事は言われなくてもちゃんと分かってる。
だけど、彼らも俺にとって『大事な生徒』。他の子供たちと差別したり、贔屓したりするのは絶対に嫌なんだ。
だから……。
「そうだぞ。蒼麒くん!アイサツは、キチンと出来なきゃ駄目だ。さ、もう一回。おはようございます!」
「……おはよう…ございます」
ちっちゃい声だったけど……ちゃんと出来るもんね!
そんな蒼麒くんの頭をクシャクシャっと撫でて、ニッコリ笑う。
「良く出来ました!後で紫峰くんにも『ありがとう』って言おうな!」
無表情なのはそのままだけど…こくんと頷いてくれた蒼麒くんと、隣で嬉しそうに笑う紅音くん。
うん。子供は、みんなカワイイんだから!
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