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8畳の部屋に響く…和輝の操るゲーム音を聞きながら。
「和輝ってさぁ、このイタリア系アメリカ人のコイン好きなおじさんのゲーム…得意なんだよね?」
学校帰りに立ち寄った和輝の部屋で、棚に並んだたくさんのゲームソフトの中から1つを抜き出し、彼にそれを見せる。
「そんなの当たり前!!誰にモノ聞いてんのよ?最初の方なんて画面見なくてもクリア出来るよ」
得意そうに微笑む和輝の可愛らしさに、思わずクラクラッとくるけれど、そこはグッと我慢して次の言葉を続けていく。
「ねぇ。俺とさ…勝負しない?」
「…え!?」
「和輝が得意なこのゲームで勝負しようよ」
「何なの…急に…」
和輝の前に座って、ゲームソフトを差し出しながら条件を提示していく。
「もし、俺が勝ったら…1つだけお願いを聞いて?」
「…じゃあ…俺が勝ったら?」
コテンと首を傾げて聞いてくる和輝に…本当に理性がプッツンしそうになるけれど…。
「和輝がいつも言ってる言葉…叶えてあげる。『俺の側から離れて』っていう言葉。俺って…本当は嫌われてんのかなって思ってさ…。和輝が勝ったら、生徒会も学校も辞めて、もう二度と君に近付いたりしないって約束する」
「え?………なに…それ…」
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