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翠「えーー、なんだろぉ?俺の好きな美味しいモノって…」
美しく輝く碧色の瞳が、ふぅっと夢みるように揺らめいている。
紅「美味しいモノかぁ…。あ!そいえば、ウチの会社で北海道フェアやってるんだよ!お肉だったら十勝牛のA5ランク、超熟成肉とかオススメだし、お魚だったら…シシャモとかどう?ろしあ産のシシャモモドキじゃなくて本物のやつ」
翠「紅ちゃん……」
紅「翡翠くんが食べてみたいならさ、どっちもすぐにお取り寄せできるよ?他にも果物とか、スイーツとか………なんなら今から飛行機乗って、北海道行っちゃってもいいくらいだけどね俺はっ!!」
翠「……くふふ♪さすが紅ちゃん。食いしん坊さんだねぇ」
つい、翡翠に食いつかんばかりに力説してしまい、ボンッと音がしてしまいそうなほど赤くなってしまっだろう自分の頬に、紅音は両手を当てた。
紅「ごめん!つい…」
翠「ありがと紅ちゃん。俺のためにイロイロ考えてくれて。………んー…てかねぇ………焼きそばパン…かな」
紅「……は?」
翠「うん。焼きそばパン食べたいな」
相変わらずの突拍子もない天然マイペース発言に、さすがの紅音も唖然としてしまう。
翠「俺ね、たんすいかぶつに、たんすいかぶつの組み合わせって最高だと思うの!そーゆーのお腹いっぱいたべてみたいなーって言ったら、カズに『そんなの止めときなさいよ!』って怒られちゃって」
紅「……はぁ」
翠「ずーっと忘れてたんだけど、何となーく今になって思い出しちゃったの。だから、気分は『焼きそばパン』なの♪」
高級な食材とか、そーいうのお腹壊しちゃうから、フツーのでいいんだぁ♪……なんて言われちゃったら、紅音としては、もう成すすべも取り付くしまもあったもんじゃない。
紅「……そっかぁ。確かに美味しいよね、焼きそばパンって!」
翠「でしょ!」
くすくすと二人で笑いあって…用事を済ませて帰って来た和輝の不審そうな視線をガン無視しつつ…その日はそれで終了したのだった。
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