33人が本棚に入れています
本棚に追加
/60ページ
紅音 Side
その声に、ぱっとそちらを見ると、風間くんの手から、せっかく熟した果実が壊滅的になる前の梨を取り上げて、ナイフでササッと剥いてあげて、また『ハイ』って返してあげているところだった。
翠「うふ♪取り上げちゃってゴメンね?ほら、綺麗に剥けたから、風間くんにお返しします♪」
風「あ…ありがとう!!」
にぱっと笑った風間くんの顔に大満足したかのように、微笑み返す翡翠くん。
それを見ていたクラスメイト達が、我も我も…と翡翠くんにお願いしに押し寄せちゃって、それを次々に剥いてあげてて…。
「なんだか、梨を剥きすぎてお腹がいっぱいになっちゃったかも」…なんて笑ってるんだ。
ああ…。俺が専属で剥いてもらおうと思っていたのになぁ。
大きなため息をつけば、彼の代わりに…と紫峰が梨を剥いてくれた。
和「そんなに悲しいばかりのなで肩が、更になでちゃって…。素直に翠さんに『コレお願い』って入って行けば良かったのに」
蒼麒のために、くるくると梨を剥きながら、和輝が気の毒そうな瞳を向けるから、さらに悲しくなってくる。
しゃり……と1口、また齧って…はぁぁとついてしまうため息。
、
最初のコメントを投稿しよう!