33人が本棚に入れています
本棚に追加
/60ページ
和輝Side
「高校野球……甲子園で見てみたいねぇ…」
「うん、そーだねぇ…」
ついうっかり…そう、ついうっかり。
翠さんと2人で夏休み前の課外授業を受けたあと、生徒会室を占領してノンビリまったりしてた時に、なんとなーくしていた話。
一応この学校にも野球部はあるけど、いつも一回戦負けしちゃうような弱小クラブ。ってか、同好会。
まぁ、良家の御子息達が戯れに遊んでるようなクラブ活動のひとつだから、それに青春の全てをかけてます!的な高校生たちとは感覚が違うのだろうと思う。
俺と翠さんは野球が好きで、幼いころは「一緒に甲子園出場したいね~」なんて言ってたくらい。
イロイロあって、それは叶わなかった夢だけど、自分たちと同じ年頃の高校生が頑張ってるのを応援するのはホントに楽しくて。
生徒会室に設置してあるパソコンで高校野球を検索して、ここの学校が強いらしいよ~とか、ここのピッチャーが早い球投げるんだって~とか。
そんなことでキャッキャと盛り上がってたんだけど。
まさか、それをアイツに見られてたなんて…全く気が付かなかったんだ。
最初のコメントを投稿しよう!