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「ね、かず。ここに座って?お薬飲んで、俺と手をずっと繋いでいよう?そしたら怖いこと…きっと無いから」
「………うん」
薬を飲んだあと、静かに走り出した大型バスの中で、俺を楽しませる為に必死に盛り上げようと頑張る彼らに感謝しながら……いつの間にか眠ってしまったらしい俺が目覚めたのは、翡翠のそれはそれは嬉しそうな声が聞こえてきたからだった。
「わあぁぁぁ、甲子園球場だぁああ♪」
その後は、5人で高校野球を楽しんで、ついでに関西の名所をあちこち観光して、蒼麒が用意してくれたホテルで翡翠とマクラ投げして遊んで……という楽しい5日間を過ごす事が出来た。
帰りのバスも翠さんが手を繋いでくれて、なんとか乗り切り自宅まで帰ってこられたのだ。
家の前に停まったバスからピョン!と飛び降りた翡翠に続き、俺も慣れた地面に足を付いた。
「和輝……どう?楽しかった?」
目の前に立った蒼麒には全く似合わない不安そうな顔に、つい吹き出しそうになったけど、そこはグッと我慢して。
「…うん。ありがとね、蒼麒」
にっこり笑顔を向けてお礼を言ったら、ふにゃりとした柔らかい笑顔で「よかった~」って。
だけど、さり気なく抱き着いてキスしようとするから『みんながいる前で、それは違うだろ?』って意味を込めて右顎を一発殴ってやった。
うん。これもある意味、俺なりの愛情表現。
「アテテ…相変わらず愛情表現が激しいなぁ姫は。でも……」
今度は2人っきりでお泊りデートしようね。
そう耳もとで優しく囁かれたから。
『OK♪』の意味を込めて……今度は気を抜きまくっているだろうお腹をめがけて、ずしりと重い一発を叩き込んでやったのだった。
………………………
結局、蒼麒と和輝のラブラブ話だってゆーオチwww
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