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そんなこんなで出発当日、お迎えに来てくれたしーくんが、お着替えを入れた大きなバッグも持ってくれて、しかも「翡翠君のために美味しい手作りお菓子も用意してあるからね」ってキラキラした笑顔を見せてくれて!
うふふ♪嬉しいな♪
しーくんって紳士だし、すっごく優しいし…オレ大好きなの!
カズも、そーくんがお迎えに行ったから、きっと嬉しいなって思ってるはずだよね!
手を引かれて家の前に出てみたら、そこには車体に「OKUYAMA」って書かれた大きなバスが停まってた。
中?すっごいの!お金持ちのお家の応接間みたい!
ふかふかのソファに、お洒落なクッションがいっぱい置いてあって、テーブルの上にはたくさんのお菓子と、オレの大好きなビスケットまで用意されてたの!
ソファに悠然と座って手を振っている紅ちゃんが、なんだかいつもより格好良く見えたから、思わず『紅ちゃん…カッコイイ!』って言ったら、彼のお鼻から、ぶーーーって血が出ちゃって、しーくんが慌ててティッシュで紅ちゃんのお鼻を押さえて……場所は変わっても、やっぱり、いつもどおりが良い♪
それにしても、本当に鼻血の出やすい体質の紅ちゃん。心配だな…血が無くなっちゃう。
貧血予防にレバー食べてもらわないとね。
なんて考えてたら、そーくんにおててを引かれて現れたカズが、バスのドアの所に立った途端、大きな声を出した。
「ちょっと待ったーー!」
あ。やっぱりカズもこのバスにびっくりしちゃったんだね!うふふ、一緒じゃん♪
「かず♪このバスすごいね~?りむじんばすっていうんだって。中はお部屋みたいだし、パーティができちゃう♪それに明日の朝には甲子園に着いちゃうなんて、すごいね~そーくん♪」
「翡翠ちゃんに喜んでもらえて良かった~♪これ、ウチの親父のだからちょっと趣味が良くないんだけどさ(笑)。こんな派手過ぎるシャンデリアとか、イマドキありえねぇだろ?」
確かに派手だよね~!
バブリー感溢れてるよね~!
でも、そーちゃんパパっぽいよね~!!
って、顔を見合わせて大笑いしちゃった。
…まだ困惑した顔のままのカズ以外の4人で。
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