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「さて、皆様。ここに揃った腕利きの職人さん達の華麗なる技をゆっくりご覧になって、美味しいお餅が出来上がるのを待っていてもよろしいのですが、せっかくなのでご一緒に参加されたらいかがですか?」
「え?一緒にお餅つきできるの?」
「もちろんです、翡翠さま。職人の皆さま方も是非にと仰って下さっておりますよ。どなた様から挑戦なさいますか?」
「はいはいはーい!俺、やってみたいでっす!」
間髪入れずに立候補した翡翠に続けとばかりに紅音と紫峰も手を挙げている。
「我々職人と一緒にやった方がいいので、順番につきましょう。では一番元気の良いそこのお兄さんからどうぞ!」
「はーい!!くふふ。がんばります!紅ちゃんも、しーくんも頑張ろうね!」
まずはじめに翡翠が指名され、意気込みを高らかに宣言すれば、餅つき大会は賑やかに幕を開けた。
思いのほかダイナミックな動きで杵を振るう翡翠や、みんなに自慢してた割には見せかけだけの筋肉なのがバレてしまった紅音、餅つきまでもが上品でスタイリッシュに見えてしまう紫峰…。ホント人それぞれ。
蒼麒は…といえば、悪戦苦闘でも楽しそうな彼らをひやかしながら、のんびりと椅子に座って、手にしたグラスをチビチビと傾けている。
カッコつけて微笑んでても中身は100パーセント果汁の葡萄ジュースなあたり、みんなを笑わせ和ませるツボを押さえまくりだ。
それに、この餅つき大会だって、きっと翡翠が喜ぶだろうと事前に余興のひとつとして考えてくれてたんだろうな。
……そういうさりげないところがね……なんていうか……カッコイイ…っていうか……俺が好きなところっていうか……
「かず!かずもお餅つきしようよ!」
「は?え…えっっ!?」
「ぼーっとしちゃってどしたの?なんかあった!?」
「べ…べつに…なんでもないよ。大丈夫」
急に声をかけられたからびっくりしただけ。なのに。
「ふーん。どーせ、そーちゃんのこと考えてたんでしょ?カッコイイなーとか、イケメーンとか、だぁい好きーとか♪」
「んなわけあるか!!」
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