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「あはははっ!!そんで、姫は怖くなっちゃったんだ?」
「……そういう訳じゃないけどねっ!」
帰宅した蒼麒から受け取ったジャケットにブラシをかけながら……面白そうに笑う彼に向かって、ベーッと舌を出す。
今日、翡翠と話したことを、仕事から帰ってきた蒼麒に報告したんだけど……でもさ、そんなに大笑いしなくたっていいのに。
軽くうつ向いた顔を、ついっと上げられて……チュッと小鳥のように可愛らしいキスが唇に降りてきた。
「まぁ、いいじゃん♪五彩は蒼ちゃんに任せときゃいいし、紅くんと紫くんは……翡翠ちゃんに任せて、ほっとけばいいっしょ」
「そうだけど……」
「また南の島の別荘へ行こうよ。あそこならアイドルだって気兼ねしないで、おもいっきり遊べるからね」
「…………ん」
「……姫?どうした?」
「ねぇ蒼麒…。別荘行ったら……また釣りに行っちゃうの?」
南の島の別荘の周りには、素晴らしいポイントがたくさんあるから、釣りに行くには持ってこいなのは分かってるんだけど…。
きゅっと蒼麒の袖を掴んだら、つい口からこんな恥ずかしいセリフがっっっ。
「え、ああ、いいの!ごめんね?気にしないで蒼麒っ!!」
「和輝……」
「ごめん!!本当に気にしな……んっ…………」
慌てて恥ずかしさを取り繕おうとする俺を優しく抱きしめて……蒼麒は深くて優しいキスをしてくれた。
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